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熊川流回転の秘密。上下に生まれる「微差の力」で回るべし! 

今年は冬のオリンピックもあり、先月は日本開催の世界フィギュアもあって、
年の初めから先月まで、日本はフィギュアスケートで湧きましたね。


フィギュアの世界ではジャンプの回転数が勝負のカギとなっていますが、
本当にすごいスピードで回転するので、感心してしまいます。


バレエでも、フィギュアスケートのジャンプのように、
男性も回転をつけたジャンプをしますが、
女性の場合は、回転といえばピルエットなので、
私もピルエットの回転数を何とか上げようと、そのコツを研究中でした。


そんな中、最近、といっても昨年末ですが、
テレビの番組で熊川哲也さんが、回転についてお話ししていて、
とても興味深いことをおっしゃっていました。


それは12月30日にテレビ東京で放映された
『ソチへの挑戦者たち 高橋大輔×熊川哲也』
という番組の中でのことでした。


高橋選手の筋肉が硬いという話になり、そこから熊川さんは、


「(高橋選手は)音感もあるし、踊り上手だから、
上半身と下半身の微妙なこう…」



と言って、両手の指を少し曲げて、
それぞれの手をコップのような形にして上下に向かい合わせ、
大きな瓶のふたを開け閉めするような、両手の手首をねじるような動きをして見せ、
人間の上半身と下半身の動きの微妙なずれを表現しながら話を続けます。


「微差っていう、この動きって、
必ず上半身と下半身って、一緒にやっちゃうと、もう何もできないんで。
上半身が動いて、それに下半身がつく、下半身が動いて、上半身がつく、って、
こういう動きがうまいヤツは、何やってもうまいよね。」



「ゴルフだって、野球のスウィングだってそうでしょ。たぶん、こういう。
ダンスも全部そうだし。それが自然と身についているから…。」



これは高橋選手が、身体に柔軟性がなくても、
上半身と下半身の連動した動きが卓越しているので、
フィギュアスケートの4回転ジャンプも決められる、
という結論につながる話でしたが、
熊川さんが早口で説明するので、
あっという間に流れて行ってしまいました。
でも、録画を見直して、なんとか理解できました。


この熊川さんの持論は、私にはハッとするような内容でした。
やはり、バレエの先生の指導だけでなく、
その道の天才の意見にも耳を傾け、
高度な技術をどうやってこなしているのか、
追求して研究するべきだなと思いました。


小さい頃に習った先生も、今現在習っている先生も、
ピルエットの指導の時は、
首だけはつけて、身体とは動きを別にするが、
上半身と下半身は一体化していないといけない、
つまり、一本の棒のようになって回らないといけない、
という風に教わってきました。


でも、熊川さんは、回転の時は、
上半身と下半身に、微妙に「微差」をつけて回っている、
そうやって微差を利用している人が能力が高い、
という風に番組ではおっしゃっています。


たまたまフィギュアスケートの回転の話題の時に出た話だったので、
熊川さんもバレエのジャンプの時の回転の仕方として説明したのかもしれません。


ですが、以前にも、熊川さんがピルエットの回り方について、
これと同じように上半身と下半身をずらして回る方法を
指導している風景を見たことがあるのです。


それは確か、Kバレエを取材したテレビ番組だったと思いますが、
熊川さんが主役を踊る宮尾俊太郎さんに直接指導しているシーンがあり、
ピルエットの振り付けをチェックしているところのようでした。


この時、画面ではナレーションが流れていて、
熊川さんの声はナレーションにかぶって、遠く小さくしか聞こえませんでしたが、
すでに一流のダンサーとして認知されている宮尾さんに向かって、
どうしてそんな回り方をしているのかと、
とても基本的なことを教えているようでした。


よく聞いてみると、
上半身と下半身が揃っているから回れない、というようなことを指摘し、
はっきりと、回転は「ねじるから回れる」、とおっしゃっていました。


熊川さん的には、上半身と下半身を揃えてコンパクトにしていても、
それが回る動力にはならない、ということらしく、
ピルエットというものは、上半身と下半身をねじることで回れるもので、
そうするから複数回、安定して回れるものだ、という感覚をお持ちのようなのです。


とはいえ、熊川さんのピルエットを見ても、
ドリルのように早いですが、
目に見えるほどに上下でねじっているわけではないので、
たぶん自分にしか分からない程度の筋肉の動きのレベルで
上半身と下半身に微差をつけてねじっていて、
それが安定した回転を生み、さらに複数回れるようになっているのだと思います。


他のダンサーが、勢いをつけてピルエットし、
だんだんスピードが衰え、安定感を失う寸前で着地をするのに比べて、
熊川さんは、スピードを緩めないで8回回り、
最後の9回目で急ブレーキをかけて、
わざとゆっくり回って丁寧に着地する、ということができるんですよね。
これが見ごたえのある熊川流のピルエットなのです!


つまり、上半身と下半身の微妙なねじりが、
スピードを落とさない複数回のピルエットや、
自由自在にコントロールできる着地など、
こういうところに差が出るのでしょう。


確かに、上半身と下半身が揃っていると、
回り始めにつけた勢いが衰えるのと同時に、回転が止まってしまいます。


それを8回、9回とたくさん回るには、
最初の勢いに頼らずに、
筋肉のねじりの力でスピードを保つことがポイントなのでしょう。


熊川さんのピルエットは、他のダンサーと違って、
足の裏にエンジンがついているみたいに超人間業で、
好きなだけ回って、好きなタイミングで降りられるという、
自由自在に回転をコントロールしているイメージがあります。


それは理想のピルエットですが、
もしかしたら、バレエの基礎を忠実に学んで行ってもできる領域ではなくて、
天才だからこそ生み出された方法であり、可能にした領域であるのかもしれず、
元々あるバレエの技術領域を超えた、進化した別格の領域なのかもしれませんね。


これは高度な方法なのかもしれませんが、
ピルエットを研究する上では、大きなヒントになりました。


先日、私が通うバレエ教室の若手の先生が、
「ピルエットは2回までなら、顔をつけるだけで回れる」
と指導していました。


素人は、ダブルのピルエットとなると、
勢いと勇気が必要ですが、
本当に顔をつける力だけでも2回までなら回れるんですよね。


この時、なんとか回ろうと意識すると、
先に回ってくれる顔について行くべく上半身が先に回り、
後から下半身がついて行くように、
確かに腰のあたりに微差が起こって、ねじれる感覚がありました。


本当にちょっとのねじりですね。
これが回転の小さなポイントであり、
最大限に回転力を上げる大きな要因なのだと思います。


一つの身体の中に、先に行く身体と、後からついて行く身体があり、
どちらに自分の意識を置けばいいのか分からなくなりますが、
「先」と「後」の両方の身体に意識が乗って、
両方とも自在にコントロールできるようになったら、
ただの回転ではなく、
美しくまとめられた、表現力のある回転に見えることでしょう。


理屈では分かっていても、それを形にするのは難しいですね。
ピルエットは、本当に奥深くて、高度なパです。


ですが、回ってこそバレリーナ!
美しく見ごたえのあるピルエットを目指したいものです。



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